スーパーエンバイロメントハイスクール」カテゴリーアーカイブ

工業化学科 端切れからのアルコール製造①

昨年度まで岡山県教育委員会の研究指定を受けていた
「スーパーエンバイロメントハイスクール研究開発事業」の中で取り組んでいた、
「綿布端切れ繊維から酵素を用いたアルコール製造とその残渣の有効活用」について、
今年度からも引き続き当初の目標である消毒用アルコールの製造と残渣の活用方法の模索を
テーマに研究を始めました。

今年度からは研究チームを縮小し、9名の班員で構成し、更にアルコール製造班を6名、
残渣の活用やバイオ的な研究を3名に分かれて取り組んでいます。

コロナの影響により4月〜5月までの期間では数えるほどしか実施できていませんが、
まずは昨年度までの研究成果をもとに作業手順を学び、今後は昨年度できなかったことや
新しい取り組みについても行っていきたいと思います。

共同研究者へのお礼と報告

3月24日(木)に本研究の共同研究者である岡山理科大学 工学部 応用化学科 滝澤 昇 様、岡山大学資源植物科学研究所 植物・微生物相互作用グループの谷 明生 様、株式会社フジワラテクノアート 経営企画室 係長の久岡 玲子様をそれぞれに訪問させていただき、3年間のお礼と研究課程をまとめた報告書をお渡ししました。


みなさまには研究課程において様々なサポートをいただき、大変感謝しております。ありがとうございました。
研究指定は終わりましたが、引き続き研究を続けていき、より良い成果が得られるよう頑張りたいと思います。

布用シュレッダーの改造完了

機械科が製作した布用シュレッダーに不具合が生じる度に修理をしてもらっていましたが、研究指定終了後にも引き続き取り組んで行くために、11月頃から機械科に本格的に改造をしてもらいました。
当初の予定では年末までに改造が完了して、納品してもらうはずでしたが、様々なことが重なったため2月末に完成しました。完成した2月末から3月1日にかけて学校行事が多数あったので、本日ようやく試運転をすることができました。
運転してみると以前の物に比べて気密性が高まり、室内でも解繊ホコリが舞うこともなく、わずか10分の運転でも60g以上の解繊糸を回収することができました。
今後1時間の連続運転でどこまで解繊糸を回収することができるかなど、詳しく調べていきたいと思います。

工業化学科 課題研究発表会

1月20日(木)に課題研究の発表会がありました。課題研究は3年生が4つの班に分かれてそれぞれの班ごとのテーマで一年間研究をしました。
練習の成果を発揮して分かりやすく素晴らしい発表ができ、3年間の成長を感じることができるとても良い時間になりました。
また、2年生にとっても来年度の研究内容を考える良いきっかけになったと思います。

2022高校生テクノフォーラム参加

1月15日(土)に岡山県立岡山工業高等学校の体育館を会場に、2022高校生テクノフォーラムが開催されました。今年度は新型コロナウイルスの影響により例年とは異なる形式での実施ではありましたが、発表題目「Reborn 再生エネルギーの開発~倉工五科共同プロジェクト~」として3年間の研究の取り組みについて、工業化学科3年の秋山陽祐君、稲角圭祐君、竹熊彩香さん、立石魁君、藤原怜央君の5名が発表しました。


前日のリハーサルが中止になり、当日も発表前のわずかな時間にパソコンの接続確認や、立ち位置の確認程度しか出来ませんでしたが、これまでの練習の成果を発揮して堂々と発表してくれました。また、発表終了後には安藤校長先生より労いのお言葉もいただけました。
審査の結果については後日連絡が来るとのことですが、発表要旨やスライドの資料も生徒が中心になって長期間かけて準備し、何度も繰り返し練習して発表したこの経験は、高校卒業後それぞれの進路先で活かせると思います。

R3年度SEH講演会(滝澤先生)

1月14日に岡山理科大学の滝澤昇先生に「醗酵・醸造のもう一つの主役「乳酸菌」」という演題で工業化学科の1・2年生を対象に御講演をいただきました。今回の講演会が本事業の関連講演としては最終回でしたが、新型コロナウイルスの感染状況の悪化によりオンラインでの講演会となりました。
乳酸菌は様々な発酵食品だけでなくバイオプラスチックにも関与していること、新型コロナウイルスの仕組みについても分かりやすく説明していただけました。また、講演の最後には将来ものづくりに携わる生徒に向け、心に響くメッセージを投げかけていただけました。

RSKラジオの取材・収録が行われました!📻

12月24日(金)13:00〜 RSKラジオの番組「きらりと光る!おかやまの工業高校生」の取材・収録が行われました。
この番組は地元岡山の工業高校の生徒たちの活躍をラジオを通じて紹介することで、県内の製造業各社の発展に寄与するものです。
今回の収録ではテキスタイル工学科3年生 青島さんをナビゲーター🎤として、本校が令和元年度から3年間取り組んできた「スーパーエンバイロメントハイスクール事業」について報告しました。
報告をしたのは、研究チームリーダーの工業化学科3年生 竹熊さんと指導教員の工業化学科 科長 野瀬先生です。


この収録の放送は、RSKラジオ(AM1494KHz、FM94.1MHz)📻令和4年2月3日(木)12時35分〜45分の予定です。ぜひ、お聴きき下さい。

R3SEH講演会(久岡先生)

11月26日にフジワラテクノアート株式会社の久岡様に「固体培養」という演題で工業化学科の1、2年生を対象に御講演をいただきました。11月22日の研究成果発表会で指導助言をいただいた直後ということもあり、生徒も聞きやすかったと思います。
今回もオンラインの講演会となりましたが、基本的な用語の説明から始まり、現在利用されている技術の紹介や、既存の利用の仕方にとらわれなければ色々な活用方法がある事を伝えていただき、大変勉強になりました。

各種発表会に向けて

11月22日に校内成果発表会を終えたばかりですが、今度は1月に予定されている高校生テクノフォーラムや、工業化学科の課題研究発表会が控えているため、次なる資料作成に取り掛かりました。
発表内容がそれぞれ異なるため大変ですが、前回の発表会で得た経験からスムーズな取り掛かりが出来ました。年内には完成を目指す必要があるので、期末考査終了後からは放課後に残って作業する予定です。


また、前回の反応で発生した残渣をテキスタイル工学科へ引き渡すための準備もしました。
期間が空いたため臭いがしましたが、洗浄と乾燥により改善を試みています。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況10

11月22日(月)いよいよ活動の成果を発表するときがやってきました。

電気科では、電気工事士の取得に向けた実技の補習がはじまっており、放課後にあまり練習時間を取れませんでした。そのような中、一日20分集中して、2週間前から発表練習をしてきましたが、直前になって、発表者が不安になり、大急ぎで練習を行いました。

発表順は、工業化学科、機械科、電子機械科、電気科、テキスタイル工学科、工業化学科の順で、電気科は4番めの発表でした。他の科の生徒がとても上手に発表するので、自分たちもできるのか、不安で、大変緊張しましたが、なんとか無事に発表することができたと思います。


この経験は、貴重で、普通ではできないと思いますので、今後の生活に活かして行きたい思います。このような経験をさせていただき、大変勉強になりました。ありがとうございました。

大型装置の安定運転(結果)

大型糖化装置を利用した実験についてようやく最初から最後まで一定の条件下で反応を終え、一週間アルコール発酵させてから蒸留塔で濃縮しました。結論としては以前に行った不安定な状態での実験の方がアルコールの濃度は高く、残念ながら良い結果にはなりませんでした。考えられる原因は原料の綿の割合、回転数、酵母の状態などが考えられますが、残渣の状態を見る限り本校の解繊も一つの原因かもしれないと思いました。今後は考えられる原因について検証していきたいと思います。

大型装置の安定運転にむけて

前回の実験で上手くいかなかった原因と考えられる回転数と温度のコントロールについて休日返上で継続した調整を行いました。その結果ようやくビーカースケールと同じような状態で運転できるようになりました。そこで、前回の実験は原料の追加を途中で中断し、前回の課題研究中に解繊した原料を前処理し、改めて最初から糖化反応を行いました。今回の実験が今まで確認してきた最適な方法による糖化反応になるので、良い結果になることを期待します。

R3SEH講演会(谷先生)

研究最終年度となる今年度もスーパーエンバイロメントハイスクール研究開発事業で協力いただいている外部の先生方に講演会をお願いしています。11月5日に岡山大学資源植物科学研究所 植物・微生物相互作用グループの谷 明生准教授に「メタノールを食べる細菌の生態と利用」という演題で御講演をいただきました。現在は夏頃に比べると新規感染者数自体はそれほど多くはありませんが、学校としては引き続き感染対策を徹底する観点からも、昨年度同様にオンラインでの講演会となりました。今回は難しい用語について説明用の動画を活用いただき、生化学についての知識がなくても理解できるように講演いただきました。今月22日には全校生徒向けの発表会にも参加いただく予定なので、先生のように分かりやすい発表が出来るよう準備を進めていこうと思いました。

倉工解繊原料による糖化反応

これまで課題研究の授業の度に解繊してきた原料が、ようやく本研究で使用する1回分に貯まったので先週の中間考査最終日の放課後にアルカリ処理を行いました。


その後乾燥させた原料を用いて、いよいよ本校で解繊した原料のみを使用した実験をスタートしました。これまでのスケールアップした実験では上手くいかなかった点について踏まえ、酵素の量と回転数を上げ、制御装置による温度調整は行わずに反応熱と空冷による加温としています。以前に発酵、濃縮まで進めた時の最終的なアルコール濃度は41.6%で回収量としては200mL程度だったので、今回はそれを上回る濃度と回収量を期待したいと思います。

また、校内発表に向けての準備も進めており、こちらは平日の放課後も毎日のように残って資料の作成を行っています。
上記作業の翌日、反応容器の中に追加で原料を入れようと確認したところ、中が泡だってしまっていて糖度も低く、反応が上手くいっていないようでした。

そこで共同研究者の滝澤先生と酵素の販売元であるナガセサンバイオ(株)へ現状に対するアドバイスをお願いしたところ、泡立ちが起こるほどの回転数の上昇が問題点であると判明したので、一旦反応槽の中身を廃棄し、再度低速度での反応を始めました。来週には結果が判明するので、引き続き確認していきたいと思います。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況9

今までできていなかった、配線の整理整頓、糖化槽を監視するカメラ(静止画像)の設置を行いました。

1.制御装置に関する作業
(1)作業の様子


(2)記録用ソフトウエアの改良
記録したデータを画面に表示するときに、見るたびにボタンをクリックする必要がありましたので、その操作を不要にするように改良しました。

2.記録用ソフトウエアの機能の紹介
24時間以上の連続運転をするので、夜間でも校外から装置の状態を監視できるように、パソコンまたはスマホを使って、LINEやホームページから状態を確認することができます。
また、来年度以降に購入する一人一段端末(Chromebook)に対応するようにGoogle社のクラウドに記録をしています。

3.使用したカメラについて
当初の予定では、装置を新しく製作する予定でしたが、以前、電気科で製作した装置が休眠していたので、SDG’sの観点から、それをを再利用することにしました。
その装置は、令和元年度第60回全国電子工業教育研究会・岡山大会、生徒研究発表の部・優秀賞「LEDによる水耕栽培」〜5年間のまとめ6年目の挑戦〜で使用していた制御装置です。

令和元年度第60回全国電子工業教育研究会・岡山大会


こちらのカメラはTwitterの検索から、「糖化槽モニター」を検索していただきますと、監視状態を見ることが出来ます。

4.おわりに
今まで、色々な企業の方のアドバイスや、先生方のご協力をいただきまして、一応の一段落を迎えることが出来ました。心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。
今後、校内での活動報告がありますので、発表練習をしていきたいと思います。最後まで頑張りますので応援よろしくお願いします。

発酵から濃縮へ

先週から発酵させていた糖化反応溶液を、ろ過して蒸留することで濃度を上げる作業を試みました。しかし、先月ろ過装置の洗浄中に加圧部分のパッキンを紛失していたため残渣の分離のために自然ろ過をしましたが、授業時間の中で作業が終わりませんでした。ろ過装置はそのままにしているので、明日改めて蒸留による濃縮に挑戦しようと思います。

また、来月の全校発表会に向けて発表者全員で分担しながらプレゼンテーション資料も制作しています。

糖化反応から発酵へ

先週開始した糖化反応については10月1日時点では原料もほとんど溶解していて順調に糖度も上昇していましたが、10月4日の時点で多くの原料が溶け残り始め、5日には追加で原料が入れられないほどの溶け残りになっていました。そのため、一旦残渣を取り出し、改めて原料を追加投入しましたが、原料を入れるカゴのネジが緩んでいて脱落してしまったため、ほとんど糖化反応が進んでいませんでした。さらに温度調整にも問題が発生し、記録を見る限り6日の夜中に温度異常で装置が止まっていました。


ようやく本格的な実験が出来ると思っていただけに、これだけのトラブルが発生してしまうと予備実験通りの結果とはなりませんでしたが、予定通りに理大に株分けしていただいた酵母菌を利用して発酵に入りました。どの程度のアルコールが回収できるか分かりませんが、来週以降の結果に期待したいと思います。

ただ、分析練習のために使用した本校のガスクロマトグラフ装置が故障してしまったので、今後成分分析が課題になりそうです。

また、解繊装置の修理が終わり、修理時に刃の部分に改良を加えていただいた結果、1時間当たりの解繊量が多い時に310gも取れるようになりました。平均すると200g/hとこれまでの2倍の処理量になり、解繊効率が上がったので良かったです。

SEH研究開発事業のまとめに向けて

本研究もいよいよまとめの時期に入ってきており、11月に予定されている校内発表に向けて資料をまとめる作業を始めました。これまでの成果を時系列に並べ、どの様な内容を伝えれば良いか発表予定のメンバーを中心に構想を練りました。来週の授業から資料作成が出来るよう、研究リーダーは資料を持ち帰り、まとめてくるとのことなので期待しています。

また、前回の解繊作業後、機械科の先生方に現行機の状態を確認していただきました。単位時間当たりの解繊作業の効率を上げるためには装置の改良が必要であるとの判断をいただきましたが、装置の改造には時間がかかるとのことだったので、今回は現行機での作業を続けました。しかし、刃を固定している溶接部分が外れてしまったので残念ながら途中で解繊作業は中止となりました。装置は来週を目途に修理していただくとともに、今後に向けては改良もしていただく予定です。


現在、解繊済みの原料が2kg程度と、大型装置で行える1回分しか残っていないため、特に慎重に糖化反応の作業を進めました。明日からの一週間が勝負になります。これまで培ってきた経験を活かし、予備実験で得ていた成果が再現されることを願いながら取り組みました。来週は発酵、再来週に濃縮して成分分析を行いたいと思います。

なお、今年度に入って一度も正しい分析が出来ていなかったので、試薬を用いてガスクロマトグラフィー操作の復習も行いました。

解繊作業の安定化と新たな課題

2学期に入り課題研究の時間がなかなか無く、16日は就職試験解禁日だったためほとんど生徒がいない状態でした。そのため本格的な作業は出来ませんでしたが、原料の前処理や修理が終わった布シュレッダーによる解繊作業を進めました。
布シュレッダーについては夏休みの修理後、教員の方で試していたところ更なる故障があったため、再度機械科に修理を依頼していました。
修理完成後初めての運転になりましたが、安定した運転が出来ました。連続2時間ほど運転しましたが、解繊原料の回収量としては200g程度と100g/hしか回収できませんでした。
予定では1回の糖化反応に使用する原料は1.75kgを想定しているので、この処理量では18時間も運転をしないと原料の確保が出来ないかもしれません。この新たな課題をどう解決していくか考えていきたいと思います。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況8

電気科では3年前より始まったスーパーエンバイロメントハイスクール事業のうち、糖化槽の制御回路を担当させていただいております。

卒業した生徒と現在の2・3年生で、企業の方のお力を借りながら、制御回路の基本的な動作が出来るところまでこぎつけていましたが、制御結果をネットにアップする部分が未完成となっていました。

その作業を行う中で、ネット関連の計測回路に不具合があり、その影響から温度制御の計測機器が故障してしまいました。原因特定とその修理に2ヶ月以上かかりましたが、ようやく直りましたので、残りの作業を再開しました。

これからの作業は、ネット関連の不具合の対策、制御装置内の配線の整理整頓、遠隔操作用のカメラの設置が主な作業です。メンバーは、電気科で制御系の技術を習得したい1年生(電気部)が担当します。

先輩方が製作した基本的な機能は動いていますので、その部分に悪影響を与えないように、作業を進めていく予定です。