卓球部 春の選抜出場

 第43回春の選抜中国地区予選会が総社市きびじアリーナで行われ、実力以上の力を発揮し第4位に入賞しました。その結果2年連続6回目の全国選抜出場(福島・郡山)を果たすことが出来ました。出場選手の2名は中学から卓球部に入り、学校体育だけで育ってきた生徒です。更にもう1名は腰痛からこの2週間近くはラケットもろくに振れませんでした。40年以上にわたる卓球人生の中でも希有で、不思議な力が後押ししてくれたような奇跡的な勝ち方が随所にありました。奇跡とは起こるから奇跡なのでしょうが、やはりそれなりの根拠があったからこそ起きたのだろうと思います。

まず第一に生徒達のまさに驚異的な粘りがあげられます。「それこそ技術はまだまだ亜流ですが、今回の試合に臨む精神は立派な一流選手であったと思います。」短期決戦を制するのは数や技術よりも相手を上回る気迫の方が遙かに重要です。私の眼には生徒達が頼もしく写りどうしても勝たしてやりたいと切に感じました。             

 二つ目の根拠を挙げるならば梅崎・山本・和田君ら3年生の協力なくして今回の成果は決して望めなかったと言うことです。卒業間近の3人は1・2年生より一足早い卒業考査の期間でさえ試験終了後自宅にいったん帰り勉強し、再び自転車や電車を利用し放課後の練習相手に参加してくれました。選抜予選開会式当日は考査最終日にも関わらず、すぐさま会場まで駆けつけ後輩達のヒッティングパートナーをも務めてくれました。梅崎君(ベトナム国際日本代表)に関しては、指示通り次の対戦校の戦力分析を詳細にメモにし口頭でより正確に私に報告してくれました。またウォーミングアップのため廊下で待機している後輩には私に成り代わり戦術の徹底もはかってくれました。彼の情報分析力に今大会どれだけ助けられたことかわかりません。このように彼ら3人の献身的な協力も奇跡を起こす一因であったことはいうまでもありません。

 最後はやはり開催県として地の利があったことです。父兄はもちろんのことOB諸氏の盛大な応援も追い風になったはずです。。また大会役員として参加されている県内先生方からの温かい声援と細やかなご配慮も勝因に挙げられます。他にもまだいくつかの要素が複雑に絡み合い今回の劇的な勝利が生まれたのだと思います。            
 生徒達は春の選抜代表権を獲得したことでスタープレイヤーのいない自分たちでも夢は叶うことを学んだはずです。「失敗から学ぶ教訓も確かに多いはずですが、思春期年代の彼らには成功から学ぶ教訓の方が効果は遙かに絶大だと考えています。」この成功体験を通して結束力が増し、チーム全体の更なるステップアップのきっかけになると確信しています。しかし、自信と過信をはき違えてはいけません。「試合はまるで感情を持ち合わせた生き物のようです。」何気ない1本から誰もが予想だにしない結末へ向かって大きなうねりとなることもよくあることです。大会では最後の最後に天国と地獄が入れ替わることも日常茶飯事です。束の間の喜びに家族や仲間と共に浸るのもよいことでしょう。でも今後も大会は待ったなしの目白押しです。目先のことに一喜一憂することなく次なる目標に向かいまっすぐに着実に歩を進めていきたいものです。

卓球部 顧問