工業化学科」カテゴリーアーカイブ

霧化分離

就職試験に引き続き、中間考査があったため久々の課題研究になりました。今年度の課題の一つでもある発酵液の濃縮について、蒸留に代わる方法がないかと調べてきましたが、今回ナノミストテクノロジーズ株式会社から「霧化分離」という技術を用いた装置をレンタルすることが出来たので早速実験してみました。蒸留による濃縮とは異なり、原料の加熱が不要で電源を入れた直後からミスト化し、濃度を薄めたアルコール試薬を用いた結果ではアルコールの濃縮を確認することは出来ました。しかし、端切れから作製した発酵液の濃縮作業中に電源が入らなくなってしまったため、止む無く実験を中止し、装置を返却することになってしまったのが残念です。得られている結果から今後の方向性についても考えていきたいと思います。
また、長らく中断していた大型装置の方もようやく最終段階に入り、制御盤を取り付ける部分を機械科に溶接してもらったので、自分たちの手で再度色を塗り直しました。

SEH講演会(久岡先生)

昨年度に引き続き、今年度もスーパーエンバイロメントハイスクール研究開発事業で協力いただいている外部の先生方に講演会をお願いしています。10月30日にフジワラテクノアート株式会社の久岡様に「固体培養の産業化」という演題で御講演をいただきました。本来であれば学校にお招きして実施する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響によりオンライン講演会となりました。慣れない形式ではありましたが、プレゼン資料を用いて会社で取り組まれている内容や、専門的な技術を分かりやすくお話しいただき良い勉強になりました。

アルカリ処理作業と個々の成長

多くの就職希望者が10月16日から試験を受験しますが、その中でも現在の計画通り作業を進める一日でした。導入予定装置での実験を想定し、量産体制に入った作業を続けましたが、途中でアルカリ処理済みの原料が切れる事態になりました。しかし、すぐさま分担を再編し、予定を変更した実験をするなど柔軟な対応が出来るようになったり、使用後の実習室を進んで片付けに参加するなど彼らの成長が見られた一日になりました。就職試験の結果も良いものになるよう願っています。

次なるステップへ向けて

現在糖分やアルコールの濃縮をおこなうための装置を導入するにあたり、本校の研究していることに対して実際に利用できるかどうかの確認をするため、装置をレンタルする計画をしています。限られた予算を有効に使うためにも、装置を借りている間に出来るだけ多くの実験データを取りその有効性を確認するため、前回の実験結果で最も糖化率の高い条件により糖液を量産し、アルコール溶液も可能な限り量産する体制で研究を進めました。
ちなみにアルカリ処理した原料は何もしていない原料からの糖化率に比べ20%も高い数値が出た上、更なる原料の追加が出来る可能性が見られたため、本格的に作業工程へ組み入れる検討も必要であると考えています。

施設見学と糖化率

昨年度からの研究で端切れからのアルコール製作をしていく際の糖化や発酵については、少しずつではありますが出来る量を増やしてきています。
しかし、実用的な濃度に高めるためには蒸留を始めとする手段を用いる必要があります。現在その方法について省エネで出来る方法について検討していて取り入れたいと思う方法があるのですが、9月30日にその仕組みを導入されている豊和株式会社玉野工場を訪問させていただきました。
対応してくださった田代会長と前田工場長が本校の取り組みに興味を持ってくださり、色々なお話を聞かせてもらうだけでなく実際の装置も見せてくださり大変有意義な時間になりました。
また、先週アルカリ処理済み原料を用いた実験をようやく行えましたが、こちらはこれまでで最も高い糖化率となりました。ここから発酵をおこない最終的なアルコールの変換率がどの程度になるかなど確認していきたいと思います。

スケールアップ実験への挑戦結果

連休前に仕込んだスケールアップ実験でしたが、結論としてはまたしても失敗に終わりました。というのも、ガラス器具で行っていた実験にもかかわらずステンレス製の容器で行ったため熱の伝わり方の違いを考慮できておらず、溶液が普段より高くなり過ぎてしまい、おそらく酵素が失活したと考えられます。単純な部分に気付くことが出来ず、大変残念でした。ただ、ビーカーレベルにおける現段階での最適条件での糖化実験については撹拌が不十分にも関わらず、これまでの糖化条件の中でも最高レベルの糖度を確認できたので、今後につながる結果となりました。

いよいよアルカリ処理済みの原料による糖化実験もスタートしたので、結果が楽しみです。

スケールアップ実験への挑戦

今週末から連休があるため、毎日の細かな調整が出来ないことから何度目かのスケールアップ実験に挑戦しています。これまでの失敗を参考に、解繊糸をネットに詰め込み、酵素の入った水の上に吊るす形で撹拌の邪魔にならない工夫をしました。上手く反応が進めば、次回は酵母菌の違いによる発酵具合の確認をしていきたいと思います。
また、先週から今週にかけてまとめたデータをもとに、ビーカーレベルにおける現段階での最適条件での糖化実験も同時に行っています。

再中和と今後に向けて

前回夏休み前にアルカリ処理を行った原料を使った糖化を始めたものの、アルカリ処理後の中和不十分により液性が強いアルカリ性になってしまい、酵素が活性を失ったとみられ、残念ながら実験としては不完全な結果となりました。

そこで再度中和処理をしたものの、授業中には乾燥させることが出来ず、今回は止む無く糖化の実験は見送ることとなりました。来週末から4連休が控えているため、計画的に考えて実験したいと思います。

また、これまでの半年間、様々な条件を変えながら研究を進めてきたので、振り返りと今後に向けてデータの整理もおこなっています。個々のデータを上手く集約するのは難しい事ですが、放課後にも残って頑張ってまとめています。

アルカリ処理済み解繊糸を用いた実験

9月に入り久々の課題研究を行いました。8月17日から始まった2学期でしたが、3年生は授業と並行した履歴書の作成に悪戦苦闘の日々を過ごしていたため、ようやくの再開となりました。

そのような事情で夏休み前から長期間発酵させっぱなしになっていたため、データとしての信憑性はなく、酵母菌による違いについては今後再実験するつもりですが、少なくとも糖を含んだ溶液にカビが生えておらず、アルコールの存在を感じさせるものでした。

また、夏休み前にアルカリ処理を行った原料を使った糖化を始めたので、どの様な結果になるか確認していきたいと思います。

理大酵母を用いた発酵実験

先日1学期最後の課題研究を行いました。3年生は3者面談があった関係で、研究期間が空きましたが、生徒主導で分担し、学期の締めくくりにふさわしい活動が出来ました。

以前3段階の解繊原料サイズで行った糖化の実験については、面談期間に入る前に結果を出しており、糸状と比べて綿状であれば糖度の違いは誤差程度しか見られませんでした。その際に残していた糖液を20%になるまで蒸発濃縮させ、20%ショ糖溶液を比較対象として岡山理大から分けていただいた2種類の酵母とパン酵母を用いて発酵を始めました。結果を確認するのは夏休み明けにはなりますが、違いが分かる結果になることを期待したいです。

また、GC装置が修理不能の故障中のため緊急的にアルコール計を導入し、以前計れなかった発酵液のアルコール濃度を調べたところ理論値より高い数値が検出されたため、こちらについても夏休み明けから原因を調査したいと思います。

6月試験による乙種危険物全類取得者

6月に本校会場で実施された危険物取扱者試験で、3年生4名(小野真輝君、加藤優弥君、城内遥杜君、髙橋幸翼君)が乙種全類合格となり、3年生は乙種全類取得者総数が10人になりました。このタイミングまでが履歴書の資格取得欄への記入ができるため、就職・進学ともに良いアピールの機会となります。これとは別に、危険物乙種全類取得者は県知事からの表彰対象にもなります。今回惜しくも全類合格にならなかった人も卒業後の自分の進路へ向けて、あと残り1~2種類で全類取得となる人は特に頑張って全類取得を目指してもらいたいと思います。また、今回は残念ながら上位資格である甲種の合格者はいませんでしたが、こちらについても積極的に取り組んでいってほしいと思います。

酵母の継代、糖化効率の向上に向けて

先日岡山理科大学の滝澤先生よりいただいた酵母については、コンタミ(他のものが混入すること)をして使用できなくなってしまうことを防ぐために、今回は継代用(種類によるが今回は1ヶ月おきに新しい培地に植継がなければ酵母が死滅してしまうので、一定の期間で新しい培地に移してやる必要がある)と発酵用に分け、まずは適切な数に増やすことを目標におこないました。3年生にとっては就職や進学に向けた面談などが始まるため、今後の研究予定を見通しながら作業を進めました。

また以前、株式会社石川総研の方で解繊していただいた端切れについては、一番小さな径の原料でしか実験していなかったので、3段階のサイズで糖化の実験をおこなうことにしました。さらに、解繊した原料をアルカリ処理することで糖度が高まる可能性もあるので、前処理についてもおこないました。

共同研究者からのアドバイスなど

7月10日(金)の夕刻、共同研究者として本研究に協力をいただいている、岡山理科大学 工学部 バイオ・応用化学科の滝澤昇先生を尋ねました。今回訪問させていただいたのは、以前、本研究の中で糖液からアルコール発酵を行う際の効率について相談したところ、エタノール生産能の高い酵母を分けていただけることになったためですが、これまでの経過に対して適切なアドバイスもいただくことができました。今後の研究の参考にさせていただき、より良い条件での研究に結び付けていきたいと思います。

スケールアップの実験結果

3年生の期末考査が終わり、初めての課題研究をおこないました。昨年度装置の転倒により失敗したスケールアップした実験でしたが、今回は原料が多すぎたため撹拌不十分となり、残念ながらまたしても失敗に終わりました。スモールスケールで上手くいった条件であっても、同様の結果が得られないためこの研究の難しさを改めて感じることになりました。

今回は失敗したため特に糖度が低かったのですが、上手くいった場合も発酵するために十分な糖度が得られていないので、水の量を調整しながら予備実験で条件を検討していきたいと思います。

糖液の濃縮

先週仕込んだ10種類の異なる条件による発酵液についてアルコールの生成具合の違いを確認する予定でしたが、分析をするための機器の調子が悪く、残念ながら分析には至りませんでした。また、来週からは3年生のみ期末考査が始まります。進路選択の上でも重要な試験になるため、毎日の分析や原料の追加をしなくても良いようにするためと、スケールアップした実験ができていなかったため、予備実験で行っている10倍量のスケールで糖化実験をおこなうことにしました。

糖液と残渣の分離については野菜用の水切りを使用し排水溝用のネットを併用してみました。溶け残ったような大きな残渣の分離は簡単になりましたが、細かな残渣を取り除くのは難しかったです。今後は、発酵の前に徹底して残渣を取り除く必要があるかどうかも、アルコールの生成量など比較することで確認していきたいと思います。

発酵に関しては糖液の濃度がある程度高い方が良いとのことなので、反応後の糖液の水分を蒸発させ、疑似的に糖度を高めて発酵させることにしました。

どれもまだ実験レベルではありますが、休校期間で遅れてしまった研究を少しずつでも前に進められるよう頑張っています。

原料の減容化

前回の課題研究に引き続き、全体で予備実験の仕込み方と発酵の手順について学び、その後課題研究班のリーダーを中心に役割分担を行い、作業に取り掛かりました。
今回の実験では休校期間中に得た水のデータを基に、一度に処理できる原料の量の確認と、フラスコ内に入れる際の原料の減容化について検証しました。
原料の端切れを解繊することで酵素の働きは向上しましたが、体積的にかさばるようになってしまったので、水に浸して圧縮することで小さくしてみました。大型装置に移行する際、1回の処理量を少しでも増やせるよう、今後も様々な方法を検証していきます。
また、前回回収した反応後の糖液を用いて発酵させたところ、翌日の時点でアルコールの匂いは確認できたのでこのまま続け、次回機器による分析をしたいと思います。

放課後の分析

毎週木曜日が課題研究の授業日ですが、今年度はより細かなデータを取るため平日放課後にも分析をすることにしました。臨時休校期間中から毎日データを取っていましたが、その時は週一回の登校日の日に行うだけで、実際には教員がやっていました。

今回からは生徒自身で組んだローテーションを基に、生徒自身の手で行っています。間違いがないよう確認しながら慎重に作業を進める事ができ、全体での研修が活かされています。

SEH課題研究再始動

6月1日より学校が再開し、課題研究の授業も再始動しました。臨時休校期間中にもデータの分析はしていましたが、今回改めて全員で研究内容の確認や分析手順の確認などおこないました。今年度はローテーションを組んで全員でデータを取る予定なので、誰がやっても同じ精度になるよう、基本的な事柄から練習をおこないました。

登校日に分析②

本日(4月30日)も午前中が3年生の登校日だったので、3密を避けつつ、実験班を代表して最小限の人数で分析をおこないました。前回測定してくれたメンバーは昨年度末に引継をしていたのですが、今回は初めて参加するメンバーだったので、器具や装置の扱い方についても学んでもらいました。休校措置が延長され、先の見えない日々に大変さも感じますが、少しずつでもできることを頑張ってもらいたいと思います。

今回は酵素反応が落ち着いた段階で原料を追加投入し、引き続き活性があるかどうかを調べています。

登校日に分析

先日、教員で実験を始めた内容について毎日データを取っていますが、本日(4月23日)は午前中が3年生の登校日だったので、3密を避けつつ、実験班を代表して最小限の人数で分析をおこないました。
現在は水の種類を変えてデータを取っていますが、今後に繋がるよう記録を取っていきたいと思います。