スーパーエンバイロメントハイスクール」カテゴリーアーカイブ

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑫

アルコールを製造するために発酵させていた糖液をろ過し、本校の設備である蒸留塔で濃縮してみました。

本格的な成分分析については別の課題研究班がGCMS(ガスクロマトグラフ質量分析装置)を用いて調べてくれる予定ですが、これまでのものに比べてアルコールよりも別の臭いが強く感じられ、濃度の高さはあまり期待出来なさそうです。
しかし、ろ過後の残渣はこれまでに見たことがないほどドロドロに溶けていて、原料をより細かくすることの意味合いは大きそうです。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑪

今年度の課題研究の時間も残り少なくなってきました。
先週、おそらく今年度最後になるであろう「2回解繊」した前処理済みの原料を使った糖化実験を始めました。1週間の間、毎日生徒が自分たちで原料を追加したり、糖度やpHを測定するなど管理をしました。
その結果、トータルで投入した原料が通常よりも25%少なかったにも関わらず、高い糖度を得ることが出来ました。
次回に向けて、前日より培養済みの理大酵母菌を使って発酵を始めたので、これまで以上の結果が得られることに期待したいです。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑩

前回綿状になるまで解繊した原料を使って前処理を行ったところ、生徒の感覚では全く触感が変わったようです。

特に今年度作業を担当している生徒が改善点にも挙げていた処理後の手絞りによる脱水作業が、力をほとんど必要としない状態になった
と思わぬ効果に喜んでいました。
大型装置を運転できるほどの原料が確保できたかどうかが心配ですが、今度は糖化反応と発酵による数値で変化を見ていきたいと思います。


年度末の発表に向けた準備も進んでいます。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑨

前回導入した石臼による解繊糸をほぐすやり方ですが、労力の割に生産性が上がらず、力自慢の生徒であっても音を上げるほど大変です。
石臼を見てみると、外側だけが歯切れの色が付着していることから効果的に働いていないことが分かります。

そこでこれまでの布用シュレッダーによる解繊方法を工夫し、1回目はブロワーによる吸引を行って回収。その後一度回収した解繊された端切れを、再度布用シュレッダーの中に入れ、今度はブロワーによる吸引を止め、自然に出てくるまで運転してみました。

結果、人力で行うよりも遥かに簡単に短時間で綿状にほぐすことができました。
このやり方で糖化反応に必要な原料を確保でき次第、実際に実験をしてみようと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑧

現在の布用シュレッダーによる解繊では、糸状のものが多く含まれています。

その糸を指で少しこすると簡単にバラけることから、生徒が石臼を使って細かくすればアルカリ処理の際の絞りにかかる労力の軽減や、アルカリ処理後の乾燥時間の短縮につながり、糖化効率も向上するのではと考え、実際に購入して試してみました。

結果、綿のようになりましたが、少量作業するだけでもとても大変でした。

今回は最後までやり切る予定ですが、今後は使用方法について検討したいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑦

しばらく更新することができなかったので、最近の取り組みをダイジェストでまとめてみます。

9月21日
6月の作業中に誤って処分してしまった、原料を前処理するための溶液を作成しました。
2回目ということもあり、前回よりも効率よく調製することができました。
解繊は夏休み中にブロワーの作動を確認したものの、またしても電源が入らなくなったため
端切れを装置に入れやすく加工しました。

9月28日
原料を仕込んだものの、糖化槽の温度調節器の故障により作業を中断しました。
電気科の先生にお願いし、制御装置の製作に携わった先生の力を借りて修理しました。
ブロワーの修理は難しいと判断されたので、新しいものを再度購入しました。

10月5日
糖化槽の回転軸が突然動かなくなったものの、その後電気科の先生の力を借りて動くようになった
ので、6月以来の糖化実験を開始しました。
新品のブロワーを購入したので、布用シュレッダーに接続して久々の解繊作業に
入りました。事前に加工していたおかげもあって、大量の解繊した原料が得られました。

10月12日
一週間の糖化反応後、中身を確認したところ、これまでに臭ったことのない異臭がしました。
糖度も前日までの数値から4%も低下してしまいました。
実験自体は上手くいったとは言えませんが、発酵用の酵母菌を培養していたのでひとまずは
発酵工程へ進めました。

残渣を利用した綿花の栽培も1株は枯れてしまいましたが、他の2株は育っていて、
現在綿花が咲いているものもあります。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑥

6月29日の課題研究で、前回残渣と分離した発酵液を、精留塔を用いて精製、濃縮作業を行いました。
原料不足や、ろ過作業時に溶液をこぼして損失していたこともあってか、思ったほど高い濃度のアルコールは得られませんでしたが、初めての量産工程をやり切り、生徒は「おおー」と感動していました。

今学期は今回の時間で最後の授業になりましたが、次回に向けて前処理や解繊作業も同時進行で頑張りました。
しかし、解繊装置の吸引に使用していたブロワーの調子が悪くなり、使用することができなくなってしまったので、今後電気科に確認をしてもらう予定です。

また、以前からアルカリ処理の代替方法として研究を進めていた、糖化酵素を生産する菌の単離についても、岡山理科大学の滝澤先生のアドバイスをいただきながら実施したところ、初めて菌の増殖に成功しました。
今後は、この菌が目的の菌であるかどうかも含めて、前処理に使用した場合の効果を確認していきたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-⑤

6月22日の課題研究で、前回酵母菌を入れた糖化液の中身を確認しました。
初めての大量培養だったため、担当する生徒も恐る恐るでしたが、匂いをかいで
「甘酒みたいなにおい」や「独特の臭さがなくなった」など感想を言っていました。

発酵した液はそのままでは濃度が低いため、本校設備の精留塔を用いて濃縮しますが、
浮遊残渣など大量の不純物が含まれたままだと装置を傷めることに繋がるため、
まずは固形分分離装置によるろ過を行います。

今年度初めての使用になるため、装置の組み上げ方法など一緒に勉強しながらの作業でした。
実際には上手く行かず、中身が漏れてしまう部分もありましたが、最終的には上手く分離すること
ができました。
いよいよ次回は濃縮作業になります。

また、解繊作業も装置の癖やポイントが掴めてきたようで、以前に比べると格段に
原料を処理することが出来るようになりました。
研究には欠かせない大切な作業なので、引き続き頑張ってもらいたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-④

6月8日(木)の課題研究で仕込んだ装置を、1週間かけて糖度の変化とpHを測定しながら運転し、6月15日(木)に中身を取り出して発酵の工程に進めました。
以前は大型糖化装置の運転時にカゴを使用していたため、残渣はほとんどがカゴの中に残っていましたが、ビーカースケールの状態へ近づけるためカゴを使わない状態で実験した結果、残渣が沈殿して排水部に目詰まりが起こってしまい、排水する事ができなくなってしましました。
そのため、機械科に道具を借り、排水部分のバルブの分解作業を行いました。
作業中には残渣を含んだ糖化液が作業着に付着するなど、大変な思いもしましたが、無事に目詰まりを解消し、元の状態へ戻すことができました。
今後はこのような点についても改善方法を考えていきたいです。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-③

中間考査前にビーカースケールで行った実験で作製した糖化液を、6月1日の授業で糖度・pHの測り方を復習しつつ測定し、その後理大酵母菌を利用して発酵させました。
その発酵液を6月8日の課題研究の時間に確認したところ、問題なくアルコールが出来ていました。
ここまでの工程を、今度は大型糖化装置を利用して実験を始めました。今学年では初めての運転になるので、操作方法について学びながら取り組みました。
連続運転のため放課後の作業もありますが、昨年度以上の結果が得られるように頑張っています。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-②

前回の課題研究で前処理した原料では大型装置の運転するには量が少なかったので、糖化を体験するためにビーカースケールでの実験を行いました。
糖度計やpHメーターの使い方をはじめ、基本的な操作を覚えながら今後行う研究に備えています。

工業化学科 端切れからのアルコール製造R5-①

今年度も課題研究の班分けが終了し、アルコール製造班6名とバイオ班4名の班編成になりました。
今年度は昨年度の終盤に効果的な糖化方法がわかってきたので、その取り組みを進めることでアルコールの生産効率を高め、より濃度の高いアルコール製造に向けて取り組むことになりました。

まずは手始めに原料の解繊や前処理用試薬の調整と前処理を行いました。
しかし、原料の解繊は初めてだったため、装置に端切れを入れすぎて故障させてしまったので、急遽機械科の先生にお願いし、修理していただきました。
今回の失敗を活かし、今後は気を付けながら作業を進めてくれるものと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造⑨

大型糖化槽による実験を行った結果、最終計測糖度は4%と数値としては低い結果となりました。残渣の状態も溶けている感じが少なく、どうすればビーカーでの実験のようになるか生徒と考えたところ、原料が槽の中で自由に動いていないという結論にいたりました。
そこで様子見程度の原料を投入し、これまでのやり方による糖化反応後の状態と比較したいと思います。
また、今回回収した糖液に対しては発酵させ、アルコールにしたいと思います。

それとは別にアルカリ処理ではない前処理の原料に対する、ビーカースケールでの確認実験も始めています。期末考査があり忙しい中ですが、ローテーションを組んで対応していく予定です。

工業化学科 端切れからのアルコール製造⑧

10月下旬〜11月初旬にかけて地域のイベントへ参加するために研究を止めたり、文化の部や祝日の絡みもあってなかなか進めることが出来ないまま課題研究発表会の時期を迎えつつあります。
今年度は曜日の関係やコロナによる閉鎖などの影響もあって、例年と比べて活動回数がとても少なく、結果らしい結果が得られていないため発表準備も苦労しています。

そんな中において、久々に大型装置による糖化実験を始めました。
糖化翌日の様子を見たところ、糖度の上昇具合から酵素活性が今ひとつの状態であると考えられるので酵素量を追加で増やし、引き続き確認していきたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造⑦

連休をはさみながらもビーカースケールでの糖化実験を行いました。
今回は残念ながら新しい前処理法ではアルカリによる前処理ほど
糖度が上がりませんでした。
また、残渣も目に見える形で残っていて、結果としては良くなかったですが、
もう少し実験を続けてみて、前処理方法の変更が出来るか
検討していきたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造⑥

アルカリ処理に変わる前処理の有効性を確認するため、2年ぶりに
ビーカースケールでの実験を行いました。
現在課題研究に取り組んでいる生徒は初めての経験になるので、
一つ一つ丁寧に作業の内容を確認しながら進めていきました。
同じ実験内容を繰り返すことで、効果の有無を確認していきたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造⑤

夏休み~9月中旬にかけて3年生の進路指導を中心に活動したため、長期間に渡り課題研究の時間としては大きな動きが取れていませんでしたが、ようやく本格的な活動を再開しています。
1学期は昨年度までの振り返りとして大型糖化装置を用いた実験を試みましたが、原料不足もあり、あまり良い結果が得られていません。
2学期は引き続き大型糖化装置を用いた実験を行うとともに、原料に対する前処理を別の方法で行うことを検討するため、再びビーカースケールでの実験をしようと考えています。この方法による糖化がこれまでの前処理によるものより良い結果が得られるようであれば、大型糖化装置での実験に繋げたいと考えています。
他にも解繊効率をどのようにすれば上がるか考えながら取り組んだ結果、240g/30minという好結果も得られています。
また、残渣の分解についても引き続き取り組んでいます。

工業化学科 端切れからのアルコール製造④

6月16日(木)の課題研究では、前回に引き続き原料の前処理と解繊作業、
精留塔によるアルコールの濃縮作業に取り組みました。

解繊作業は装置の中での絡まりを防ぐため、ハサミで更に細かくして
投入してみましたが、思ったよりも解繊が進まず、あまり良い結果は得られませんでした。
また、精留塔による濃縮も、糖化および発酵工程であまり良い結果が得られていなかったため
低濃度のアルコールしか回収できませんでした。
今回の作業で原料の確保ができたため、糖化反応に進みたいところですが、3年生にとって重要な
期末考査が控えているため生徒の判断で一旦中断することにしました。

次回が1学期最後の授業になるため、解繊作業と並行して2学期に向けた準備を行い、
より良い成果が出るように目指して行きたいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造③

6月9日(木)の課題研究の時間に一週間アルコール発酵した液をろ過装置を用いて残渣の分離をしました。
現在は手順を確認することが一番の目的なので、発酵直後の溶液からは今ひとつアルコールの
臭いはしませんでしたが作業は進めました。取り除いた残渣については、洗浄してものづくり用の
材料にすることとコンポストによる堆肥作りに使えるよう取り組みました。

今回の確認実験では5日分の原料が足りなかったため、同時に次回用に原料の前処理もしましたが、
これまで大変だった中和後の乾燥をしやすくためにドライネットを導入してみました。
操作の手数が大幅に軽減できたので、糖化の結果が良ければ今後も利用したいと思います。

工業化学科 端切れからのアルコール製造②

5月26日に解繊した原料を糖化する実験を始めたところ、撹拌がうまく効かず、
急遽この春に退職された岡本先生に来校していただき直していただきました。
その後、週末から6月1日までの期間は順調に装置が稼働したので、毎日放課後に原料を加えたり
データを取るなど行い、6月2日の課題研究の時間に糖化液と残渣に対し、前日から培養した
酵母を加えました。酵母を入れた後は一定温度を維持しながら来週まで発酵を行います。
来週は発酵液を残渣と分離後に濃縮したり、組み立て式のコンポストも完成したので
残渣の具体的な活用方法について実験していきたいと思います。