スーパーエンバイロメントハイスクール」カテゴリーアーカイブ

スケールアップ実験への挑戦

今週末から連休があるため、毎日の細かな調整が出来ないことから何度目かのスケールアップ実験に挑戦しています。これまでの失敗を参考に、解繊糸をネットに詰め込み、酵素の入った水の上に吊るす形で撹拌の邪魔にならない工夫をしました。上手く反応が進めば、次回は酵母菌の違いによる発酵具合の確認をしていきたいと思います。
また、先週から今週にかけてまとめたデータをもとに、ビーカーレベルにおける現段階での最適条件での糖化実験も同時に行っています。

再中和と今後に向けて

前回夏休み前にアルカリ処理を行った原料を使った糖化を始めたものの、アルカリ処理後の中和不十分により液性が強いアルカリ性になってしまい、酵素が活性を失ったとみられ、残念ながら実験としては不完全な結果となりました。

そこで再度中和処理をしたものの、授業中には乾燥させることが出来ず、今回は止む無く糖化の実験は見送ることとなりました。来週末から4連休が控えているため、計画的に考えて実験したいと思います。

また、これまでの半年間、様々な条件を変えながら研究を進めてきたので、振り返りと今後に向けてデータの整理もおこなっています。個々のデータを上手く集約するのは難しい事ですが、放課後にも残って頑張ってまとめています。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況3

電気科で担当させていただいている、制御装置の配線が完成に近づいてきました。家電品に比べて、多くの電力を消費するため、工場などで使われる電気工事が必要になってきます。電気科の生徒はほとんど電気工事士の資格を持っており、工事自体は可能ですが、万が一、大切な校舎に傷をつけたり、事故があったりしてはならないので、専門の業者様に校舎側の電気工事をお願いしました。

9月9日16時より、業者様に御来校いただきまして、業者様が行って下さる工事と、電気科生徒の行う工事の分担を確認しました。今後は、10月ごろより業者様に電気工事をしていただき、そのあと、制御装置までの電気工事を電気科の生徒で行います。電気工事が完成したら、安全のため、動作確認のほか、様々な試験をします。すべてクリアできるように、しっかりと作業をしていきたいです。

最後になりましたが、業者様におかれましては、お忙しい中、いろいろとアドバイスをいただきまして、ありがとうございました。お礼を申し上げます。

アルカリ処理済み解繊糸を用いた実験

9月に入り久々の課題研究を行いました。8月17日から始まった2学期でしたが、3年生は授業と並行した履歴書の作成に悪戦苦闘の日々を過ごしていたため、ようやくの再開となりました。

そのような事情で夏休み前から長期間発酵させっぱなしになっていたため、データとしての信憑性はなく、酵母菌による違いについては今後再実験するつもりですが、少なくとも糖を含んだ溶液にカビが生えておらず、アルコールの存在を感じさせるものでした。

また、夏休み前にアルカリ処理を行った原料を使った糖化を始めたので、どの様な結果になるか確認していきたいと思います。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況2

電気科で製作させていただいている糖化槽の制御回路の作業を行いました。基本部分は90%程度作業を終えることができましたので、お知らせいたします。
完成が近づくにつれて配線も多くなり、スパゲッティー状態になってしまいます。そこで、配線一本一本に線番号を割り当てて、見やすくするためのマークを貼り付けました。
今回の制御装置は二か所に分かれる設計のため、それらを接続する電線が20本必要になるのですが、暑さのためか、赤色(+)と黒色(-)の本数を間違えてしまい、10本程度やり直しが必要になりました。これは極性を間違えてしまうことにつながり、ショートなどにつながる重大なミスです。今後は、このような失敗をしないよう気を付けて製作をしていきたいと思います。

理大酵母を用いた発酵実験

先日1学期最後の課題研究を行いました。3年生は3者面談があった関係で、研究期間が空きましたが、生徒主導で分担し、学期の締めくくりにふさわしい活動が出来ました。

以前3段階の解繊原料サイズで行った糖化の実験については、面談期間に入る前に結果を出しており、糸状と比べて綿状であれば糖度の違いは誤差程度しか見られませんでした。その際に残していた糖液を20%になるまで蒸発濃縮させ、20%ショ糖溶液を比較対象として岡山理大から分けていただいた2種類の酵母とパン酵母を用いて発酵を始めました。結果を確認するのは夏休み明けにはなりますが、違いが分かる結果になることを期待したいです。

また、GC装置が修理不能の故障中のため緊急的にアルコール計を導入し、以前計れなかった発酵液のアルコール濃度を調べたところ理論値より高い数値が検出されたため、こちらについても夏休み明けから原因を調査したいと思います。

スーパーエンバイロメントハイスクール電気科進捗状況

電気科では、糖化槽の制御回路の製作を担当させていただいております。現在まで、浪岡製作所様の基本設計をもとに、納品された物品に合わた、設計・製作を行ってきました。コロナウイルス対策の影響を受けて、生徒の参加がなかなか難しく作業が大幅に遅れてしまいましたが、少しずつ形が出来上がってきましたので、途中経過をお知らせいたします。
今後は、残りの配線作業と制御プログラム開発を行い、糖化の効率アップ等スーパーエンバイロメントハイスクール事業に貢献できれば良いと考えております。また、電気科で開発した「LEDによる水耕栽培」に搭載したSNS投稿システムを応用して、機器の状態を投稿することができるようにしていきたいと思います。

酵母の継代、糖化効率の向上に向けて

先日岡山理科大学の滝澤先生よりいただいた酵母については、コンタミ(他のものが混入すること)をして使用できなくなってしまうことを防ぐために、今回は継代用(種類によるが今回は1ヶ月おきに新しい培地に植継がなければ酵母が死滅してしまうので、一定の期間で新しい培地に移してやる必要がある)と発酵用に分け、まずは適切な数に増やすことを目標におこないました。3年生にとっては就職や進学に向けた面談などが始まるため、今後の研究予定を見通しながら作業を進めました。

また以前、株式会社石川総研の方で解繊していただいた端切れについては、一番小さな径の原料でしか実験していなかったので、3段階のサイズで糖化の実験をおこなうことにしました。さらに、解繊した原料をアルカリ処理することで糖度が高まる可能性もあるので、前処理についてもおこないました。

共同研究者からのアドバイスなど

7月10日(金)の夕刻、共同研究者として本研究に協力をいただいている、岡山理科大学 工学部 バイオ・応用化学科の滝澤昇先生を尋ねました。今回訪問させていただいたのは、以前、本研究の中で糖液からアルコール発酵を行う際の効率について相談したところ、エタノール生産能の高い酵母を分けていただけることになったためですが、これまでの経過に対して適切なアドバイスもいただくことができました。今後の研究の参考にさせていただき、より良い条件での研究に結び付けていきたいと思います。

スケールアップの実験結果

3年生の期末考査が終わり、初めての課題研究をおこないました。昨年度装置の転倒により失敗したスケールアップした実験でしたが、今回は原料が多すぎたため撹拌不十分となり、残念ながらまたしても失敗に終わりました。スモールスケールで上手くいった条件であっても、同様の結果が得られないためこの研究の難しさを改めて感じることになりました。

今回は失敗したため特に糖度が低かったのですが、上手くいった場合も発酵するために十分な糖度が得られていないので、水の量を調整しながら予備実験で条件を検討していきたいと思います。

糖液の濃縮

先週仕込んだ10種類の異なる条件による発酵液についてアルコールの生成具合の違いを確認する予定でしたが、分析をするための機器の調子が悪く、残念ながら分析には至りませんでした。また、来週からは3年生のみ期末考査が始まります。進路選択の上でも重要な試験になるため、毎日の分析や原料の追加をしなくても良いようにするためと、スケールアップした実験ができていなかったため、予備実験で行っている10倍量のスケールで糖化実験をおこなうことにしました。

糖液と残渣の分離については野菜用の水切りを使用し排水溝用のネットを併用してみました。溶け残ったような大きな残渣の分離は簡単になりましたが、細かな残渣を取り除くのは難しかったです。今後は、発酵の前に徹底して残渣を取り除く必要があるかどうかも、アルコールの生成量など比較することで確認していきたいと思います。

発酵に関しては糖液の濃度がある程度高い方が良いとのことなので、反応後の糖液の水分を蒸発させ、疑似的に糖度を高めて発酵させることにしました。

どれもまだ実験レベルではありますが、休校期間で遅れてしまった研究を少しずつでも前に進められるよう頑張っています。

原料の減容化

前回の課題研究に引き続き、全体で予備実験の仕込み方と発酵の手順について学び、その後課題研究班のリーダーを中心に役割分担を行い、作業に取り掛かりました。
今回の実験では休校期間中に得た水のデータを基に、一度に処理できる原料の量の確認と、フラスコ内に入れる際の原料の減容化について検証しました。
原料の端切れを解繊することで酵素の働きは向上しましたが、体積的にかさばるようになってしまったので、水に浸して圧縮することで小さくしてみました。大型装置に移行する際、1回の処理量を少しでも増やせるよう、今後も様々な方法を検証していきます。
また、前回回収した反応後の糖液を用いて発酵させたところ、翌日の時点でアルコールの匂いは確認できたのでこのまま続け、次回機器による分析をしたいと思います。

放課後の分析

毎週木曜日が課題研究の授業日ですが、今年度はより細かなデータを取るため平日放課後にも分析をすることにしました。臨時休校期間中から毎日データを取っていましたが、その時は週一回の登校日の日に行うだけで、実際には教員がやっていました。

今回からは生徒自身で組んだローテーションを基に、生徒自身の手で行っています。間違いがないよう確認しながら慎重に作業を進める事ができ、全体での研修が活かされています。

SEH課題研究再始動

6月1日より学校が再開し、課題研究の授業も再始動しました。臨時休校期間中にもデータの分析はしていましたが、今回改めて全員で研究内容の確認や分析手順の確認などおこないました。今年度はローテーションを組んで全員でデータを取る予定なので、誰がやっても同じ精度になるよう、基本的な事柄から練習をおこないました。

登校日に分析②

本日(4月30日)も午前中が3年生の登校日だったので、3密を避けつつ、実験班を代表して最小限の人数で分析をおこないました。前回測定してくれたメンバーは昨年度末に引継をしていたのですが、今回は初めて参加するメンバーだったので、器具や装置の扱い方についても学んでもらいました。休校措置が延長され、先の見えない日々に大変さも感じますが、少しずつでもできることを頑張ってもらいたいと思います。

今回は酵素反応が落ち着いた段階で原料を追加投入し、引き続き活性があるかどうかを調べています。

登校日に分析

先日、教員で実験を始めた内容について毎日データを取っていますが、本日(4月23日)は午前中が3年生の登校日だったので、3密を避けつつ、実験班を代表して最小限の人数で分析をおこないました。
現在は水の種類を変えてデータを取っていますが、今後に繋がるよう記録を取っていきたいと思います。

SEH研究開発事業2年目の開始

年度末から新型コロナウイルスの関係で生徒が登校出来ず、長い間研究が止まっていましたが、現在臨時休校により引き続き活動が出来ません。しかしながら、いつから活動が出来るようになるのか見通せないため、予備実験については少しでも進めていこうと考え、教員の方で本年度の活動を再開いたしました。

先週の課題研究の時間に今年度メインで研究に携わってくれる生徒を決定し、昨年度同様に15名いますが、彼らが協力して行えば30~40分ほどの作業を、少ない人数の教員で行うと作業に3時間もかかり、初日からかなりの苦労がありました。先のことはまだまだ分かりませんが、出来る範囲で研究し、少しずつ情報を発信しようと考えていますので、今年度も引き続きよろしくお願いいたします。

解繊糸を使った実験

先月本校の端切れを解繊していただいた原料を使った実験を行い、データを取ったところ、酵素の使用量が質量に対して15%の量で充分な反応が見られました。
これまでの前処理方法では原料と等量の酵素を使用しなければ反応が上手く進まず、少ない酵素使用量では糖度が上がりませんでした。
今回これまでの5分の1以下の酵素量で糖化が進んだので、今後は実験の再現性を確認するとともに、1度の酵素使用量に対してどこまで原料の追加が出来るかなども検討していきたいと思います。

SEH研究引継ぎ会

課題研究発表会終了後、現3年生は卒業考査に入り授業としての研究への取組はなくなります。また、学校としても入試業務を中心とした時期に入るため、なかなか研究にかける時間が取れなくなります。そこで、現3年生がいる間に、2年生の代表者へ研究の引継をおこないました。
発表会で概要を聞いた直後なので、普段の予備実験に関するノウハウを中心に、3年生が手本を示し、2年生が実際に体験するという形でおこないました。今後は2年生だけで取り組んでいくようになりますが、今回体験したこととメモを頼りに頑張ってもらいたいと思います。

酵素量の調整と発酵実験

酵素の追加購入が間に合わなかったためスケールアップした実験については一旦保留とし、これまでの研究で原料の前処理についてはある程度の方向性が得られたので、酵素の使用量の調整とその実験で得られた糖液を用いた発酵の実験に取り組んでいます。
酵素の使用量についてはこれまでは実験結果に差をつけるために多めに使用していたので、量を減らしていき問題なく糖化できるラインを見極めたいと思います。
また、次年度本格的に取り組む予定の発酵に関する予備的実験に臨み、実際にアルコールが得られるかどうか調べようと思います。